筆順はなぜ大切か
筆順を無視しても文字は書けます。また、出来上がった文字がその形になっていれば読めます。では、どうして決められた筆順で書かなければいけないのでしょう。
家を建てるように構成される字
皆さんは、家を建てる時、どのように立てているかご存じでしょうか。
家を建てる時はまず、基礎(きそ)を作り、その上に土台(どだい)を乗せ、次に柱(はしら)を立て、桁(けた)を乗せ、梁(はり)を乗せて、束(つか)を立て、母屋(もや)を乗せるように、順序よくしないと家は建ちません。
このように、家を建てるのと同じように、文字を書く時も決められた順序で書くと、字形が整い、無理なく自然に美しく書けます。
漢字だけでない筆順を守る理由
筆順は長い歴史の中でだんだん固まって来た順序です。決められた順序で書くと自然と整った美しい字の形に書けます。
又、筆順は漢字だけではなく、ひらがな、カタカナローマ字にもあります。
では、具体的に述べてみましょう。
- (一)文字の形が整う。
- 決められた筆順で書けば整った文字になる。
- (二)無駄なく書ける
- 筆の運びに無理がなく、自然なので無駄がありません。
- (三)字形を正しく覚える。
- 点画や部分の関係を注意して、正しい字が書けます。
- (四)読み間違いがない。
- 特に行書になると決められた筆順で書かないと読み間違いになりやすい。
一筆(ひとふで)書(が)きを何文字知っていますか?
一筆で書ける文字を考えてみて下さい。
漢字(楷書体)、ひらがな(楷書風)、カタカナ、ローマ字などの中から一筆で書けるもじは何文字ありますか? 指でなぞってみてみましょう。
さて、何文字一筆書きできる字があるでしょうか
上手、下手は関係なく、頭の体操と思って考えて見ましょう。おそらく39字あると思います。
答えは下段に。この他の文字も考えてみて下さい。(行書・草書)、ローマ字の筆記体「スクリプト体」。など。
- 「漢 字」
- (6文字あります)
- 「ひらがな」
- (6文字あります)
- 「カタカナ」
- (4文字あります)
- 「ローマ字」 ※ブロック体「マヌ・スクリプト体」
- 大文字 (9文字あります)
- 小文字 (14文字あります)
活字体と手書き文字の違い
活字体とは、明朝体やゴシック体などのことをいいます。特徴として四角い枠の中にデザインされた文字であるから、その枠から点画がはみ出ないという字形上の制約があります。
そのため多くの文字(漢字)は正方形に近い概形になっています。
また、活字体は、縦画や横画の方向が一定であり、画と画の間も調和よくデザインされています。
読みやすさと書く方向
そのため、縦書きや横書きなど、読みやすくなっているのも特徴です。また書の上では1716年(康熙(こうき)55年)に作られた康熙字典体の形のことを、字典体ともいっています。
手書き文字とは、筆写体といって昔から受け継がれて来た手書き文字のことと思います。活字体と違って字形の特徴や自然な書きぶりで筆順に添って無理なく文字が書けます。
小学校から習っている文字ですので違和感がなく書ける文字と思います。ここで、活字体と手書き文字の違いを文字で表して見ましょう。