筆ペンの誕生
1972(昭和47)年
最初の筆ペンが発売されました。毛筆の良さを生かした穂先が特徴で、軸に内蔵されたインクが穂先に流れ出る仕組みは、これまでになかったものでした。
1973(昭和48)年
ペン先の材質や形状に改良が加えられ、ナイロン芯の筆ペンを発売。その書き易さから年賀状や冠婚葬祭の表書きに好評を博しました。
1975(昭和50)年
使い易さの人気に乗じて多くのメーカーが大量生産を始め、筆ペンは一般的な筆記具として定着。市場では更に普及していきました。
素材
1970年代頃はウレタン素材の筆ペンで、穂の形をしたゴムのような一体化したもので、素朴な筆記具に過ぎませんでしたが、その後細い合成樹脂を束ねてつくられた筆先は筆と呼べる形状を成し、更にナイロン芯の筆先が開発され、穂に弾力を得て、いわゆる「穂に腰」のある書き味を持つようになりました。
現在、筆ペンは多種多様を極めています。品質の向上は目覚ましいものがあり、誕生の頃の素朴なものとは破格の進歩を遂げて、毛筆に遜色のないものもあり、目を見張ります。
次に、筆ペンの種類やインクについて少しご紹介します。
筆ペンの種類・穂先の形状
①硬筆タイプ
・アクリル繊維を素材としたもので、芯材の硬い筆ペン。
・特徴としては初心者でも「ハネ」「ハライ」が容易。
・ただし太い線には向かないようです。
②軟筆タイプ
・ウレタンを素材としたもので、穂先が柔らかい感触の筆ペン。
・「ハネ」「ハライ」を書く場合は多少練習を要します。
・太い線も硬筆タイプより書き易くなっています。
③毛筆タイプ
・細いナイロンなどを毛のように束ねた素材の筆ペンで、毛筆に近い。
・線の太細や「ハネ」「ハライ」など、多様な表現が出来る。
・毛筆のような線質が可能ですが、かなり練習が必要になります。
インクの種類
①染料インク
・水性のインクで、乾きにくい。文字を書く時に使用されます。
②顔料インク
・油性のインクで、乾き易い。文字よりも画材として使用されるようです。
筆ペンの使い方についてご説明します。
①筆ペンの持ち方
・単鉤法
人さし指を筆の前面にかけて、中指の爪の面と親指の腹の部分の三点で支えて持ち、残りの二本の指は中指に軽く添える。
②腕の構え方
小指側面を紙面に付ける。この時、小指がかすかに紙面に触れる程度にすると、左へ右へするする筆を運ぶことが出来る。
③姿勢について
㋑どちらも下腹部に少し力を入れて、腰をどっしりと落ちつかせることが必要です。
㋺目と机の距離は、30~40cmぐらい、あけるのがよいでしょう。
㋩背筋を伸ばして上体をまっすぐにする。
㊁指と腕の力を抜いて、のびのびと動けるようにする。
㋭左手は軽く机の上におき、重心をかけないようにする。
㋬両脇は軽くあけて、ひじや、肩に無理な力が入らないようにする。
㋣腰かけ机の場合は、足を前へ伸ばしたり、横にある木などへのせたりしないで揃えるようにしたい。
④筆ペンを使うコツ
・筆をやや立てて軽く書く。
・穂先の先端だけを使うようにする。
・軽いタッチで穂先を使って書いていく。
*基本的には毛筆小筆の持ち方、構え方と同じです。当会のテキストに示されているページを合わせてごらんください。


