楷書は最後に成立した書体

各書体の特徴

楷書

楷書は一点一画をきっかりと完成させながら、文字を構築していきます。はっきりと整理された点画の表現や折れ、曲がり方が特徴です。
整然と組み立てられるこの書体は、分かりやすく読み違えることがないので、契約書などに広く使われている書体です。

行書

線質は柔和と丸みがあり、楷書の点画を、柔らかく繋げて書かれた文字が行書で、ひとつの文字にいくつもの形があります。行書は草書ほどではありませんが速記向きであり、楷書ほどではないのですが明快なので実用に向いています。

草書

草書は、点画が省略されていて簡便な書体で、速く書けるのが一番の利便ですが、行書よりも省略した形をとるため、文字ごとに形を覚えなければなりません。また「草」は草稿などの「草」で、下書き、ぞんざい等の意味もあるため、現在では実用上からは敬遠されています。

楷書から行書、草書へ

完成順序

中国で生まれた漢字は、絵文字から発生して、歴史とともに展開してきました。殷時代後期(紀元前1400年頃~1100年頃)の甲骨文や鐘鼎文から、漢字の成り立ちを探ることができます。

最初に生まれた篆書

秦の始皇帝は各国の文字を整理統一して、篆書が生まれました。その後、篆書を簡略化して生まれたのが隷書です。

隷書を速書きする過程で書かれるようになったのが草書ということになりますが、余りにも簡便な書体で、もう少し整えて読みやすく、しかも美しい文字として行書が確立しました。
隷書や行書が変化する過程で、最後に書かれるようになったのが、楷書と考えられます。

楷書の完成期

楷書は、三世紀中頃から書かれるようになったと考えられています。

隋や唐の時代に成立

漢代の標準的な書体であった隷書に代わって、南北朝から隋、唐にかけて、標準となった書体です。行書体が確立した時代に発生したため、文字の中では最後に生まれた書体です。七世紀唐の時代には、美しく完成されました。

書体が洗練されたのは、初唐の太宗の時代で、欧陽詢の「九成宮醴泉銘」は「楷書の極則」を伝えるものとして有名です。

九成宮醴泉銘の臨書「泉石」(書道師範講座中級編より:續木湖山先生臨)

九成宮醴泉銘の臨書「泉石」(書道師範講座中級編より:續木湖山先生臨)

九成宮醴泉銘の臨書「大成」(書道師範講座中級編より:續木湖山先生臨)

九成宮醴泉銘の臨書「大成」(書道師範講座中級編より:續木湖山先生臨)

續木湖山臨書選「積時帖」

行書:續木湖山臨書選より「積時帖」

續木湖山臨書選「崔子玉座右銘」

草書:續木湖山臨書選より「崔子玉座右銘」

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