【文例集】手紙を書く時の時候の挨拶まとめ(1月〜12月)

「陽春の侯、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」手紙などの冒頭部分で、こんな文章を見たことがある方は多いでしょう。

時候の挨拶は、古くから大切にされている一般的な手紙のマナーの一つです。

しかし、皆さんはどの季節にどのような言葉を使えば良いのかご存知でしょうか。
ここでは、手紙を書くときに知っておきたい時候の挨拶をまとめてみました。

 

時候の挨拶とは?

時候の挨拶とは、手紙の冒頭部分に書く天気や季節の移り変わりを示すもので、四季がある日本ならではの風習です。

 

よく久しぶりに会った人と「肌寒くなりましたね」というような会話をしますが、これと同じものをかしこまった手紙での表現にしたものと思ってください。また、時候の挨拶は季節の移り変わりを示すだけでなく、相手の健康を気遣う意味合いもあります。

 

時候の挨拶は1年を24分割した二十四節気が参考になります。これは旧暦に沿って、冬至や立春、春分などを定めたもので、季節によってそれぞれの節目の呼び名があります。それに「〜の候」と付けるだけで、時候の挨拶にできます。

 

1月

1月は新しい年になるスタートの時期です。これから始まる新しい年の相手の健康を祈るものや、寒い季節を気遣うような文面が適しています。二十四節気では1月5日頃に小寒、20日頃に大寒を迎えるため、その時期の時候の挨拶には「小寒の候」「大寒の候」という文言が使えます。

 

「小寒の候、まだ来ぬ春が待ち遠しく感じられますが、いかがお過ごしでしょうか」などとするのが良いでしょう。

 

2月

2月は1年の中で最も寒さの厳しい時期ですが、2月4日頃には立春を迎え、暦上は徐々に春に向かっていく季節でもあります。そのため春が待ち遠しくなる文面や、春らしくスタートを感じさせるような時候の挨拶が良いでしょう。

 

「立春の候、梅のつぼみも膨らみ、いくらか寒さも和らいで参りました」「節分の候、本格的な春の訪れが待たれる頃となりました」などの挨拶が適しています。

 

3月

本格的に春がスタートする時期です。3月は「花見月」とも呼ばれ、多くの花が咲き誇る時期でもあります。そのため桃や梅、桜などの季節の花を絡めた時候の挨拶が適しています。二十四節気では3月6日頃に啓蟄、3月21日頃に春分を迎えます。

 

時候の挨拶としては「啓蟄の候、寒さも緩み、桜の開花が待たれる頃となりました」「啓蟄を過ぎ、小川の水もぬるんで参りました」などが使えます。

 

4月

4月は新年度が始まります。3月と同じくさまざまな花が見られる時期ですが、散るのも早いため周囲の花の様子を見ながら書くようにしましょう。新年度になって新しい職場や学校に行く人も多いため、健康や環境を気遣うような文面がおすすめです。二十四節気では5日頃に「清明」、20日頃に「穀雨」を迎えます。

 

時候の挨拶は「桜の花のたよりが聞かれる頃になりました」「貴社におかれましては、ますます輝かしい春をお迎えのことと存じます」などが良いでしょう。

 

5月

5月は鮮やかな緑が美しい時期です。二十四節気では6日頃に「立夏」、21日頃に「小満」を迎えます。また暑くもなく寒くもない、過ごしやすい時期であるため、この環境で先方が活躍している表現を入れるのも良いでしょう。

 

時候の挨拶としては、「立夏の候、新緑の香りが清々しい季節になりました」「緑芽がより鮮やかな季節となり、ますますご活躍のことと存じます」などの表現を使います。

 

6月

6月は6日頃に「芒種」、21日頃に「夏至」を迎えます。湿気が多く暑さも徐々に本格化してくる時期であるため、美しい紫陽花や、雨だからこそ感じられる情緒などを盛り込んだ時候の挨拶が好ましいです。

 

「梅雨の侯、雨に濡れる紫陽花の花が美しく感じられます」「夏至の候、日がずいぶん長く感じられる頃になりました」などの時候の挨拶を取り入れてみましょう。

 

7月

7月は暑さがいよいよ本格的になってくる頃です。二十四節気でも小暑、大暑と暑さを示す言葉が続きます。そのため、相手の健康を気遣うと同時に、少しでも涼しくなるような時候の挨拶を使うのがおすすめです。

 

「大暑の候、青い空と入道雲が夏の到来を告げています」「天の川がひときわ美しい季節となりました」などの挨拶が良いでしょう。

 

8月

1年の中で最も暑い時期ですが、暦の上では7日頃に「立秋」、23日頃には「処暑」となり、秋めいてくる時期でもあります。また暑くて長い夏を乗り切った相手に対して、健康を気遣うような挨拶があると気持ちが伝わります。

 

例文としては「立秋の候、厳しい残暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか」「去っていく夏の気配を感じるようになりました」などが使えます。

 

9月

徐々に夏が終わり、秋を感じられる頃です。長かった日も短くなり、また過ごしやすい季節になっていきます。再び訪れる過ごしやすい時期でもあるため、相手の環境や健康を伺うような文面にすると良いでしょう。

 

「コスモスが秋風に揺れ、過ごしやすい時期になって参りました」「秋の気配が感じられる季節、ますますご活躍されていることと存じます」といった挨拶にしてみましょう。

 

10月

本格的な秋のスタートです。自然が大きく変化する時期でもあり、草花や生き物なども9月とはがらりと変わります。秋晴れの美しい時期でもあるため、秋の空を表現するような時候の挨拶が好ましいです。

 

「空が高く感じられる季節になりました」「金木犀の爽やかな香りが漂いはじめました」などと書き始めるのが良いでしょう。

 

11月

11月は7日頃に立冬を迎え、秋から冬に移り変わっていく時期です。木枯らしなどで寂しさを感じる時期でもありますが、冬の訪れを感じさせるような情緒ある時候の挨拶がおすすめです。

 

挨拶は「晩秋の侯、冬の気配を感じる頃となりました」「朝晩はすっかり冷え込み、寒さに身も心も引き締まります」などとしてみましょう。

 

12月

年の瀬が迫った12月は寒さも本格化し、皆一様に忙しくなる時期です。22日頃には冬至を迎え、日も短くなってきます。忙しく寒い時期であるため、相手の健康を気遣うような文面が適しています。

 

時候の挨拶は「冬至の候、寒気いよいよ厳しい季節ですが、お健やかにお過ごしでしょうか」などとするのが良いでしょう。

 

時候の挨拶は、日本の四季を感じられると同時に相手の気遣いも表現できるものです。
その時期に合わせた時候の挨拶で、相手との関係をより深められるような手紙にしましょう。

東京書道教育会フォローしておすすめの記事を購読しよう

シェア