「まずは基本を抑えよう」書道をするときの姿勢と筆の持ち方

現代ではほとんどの人がボールペンなどを使って字を書くため、筆で文字を書くということは少なくなってしまいました。しかし、美しい文字にはいつの時代でも需要や憧れがあるものです。書道を身に付けて美文字を目指したいという人も多いでしょう。

書道では、筆の運びや文字の形を整えることが大切だと思っていませんか?もちろんそれらも大切ですが、美しい字を書くためには姿勢や筆の持ち方といった基本的な部分が何よりも重要です。

 

ここでは、書道をするときの姿勢と筆の持ち方をご紹介します。

 

書道は姿勢が基本中の基本

書道では姿勢が基本になってきます。姿勢がきちんとしていないと、美しい文字を書くことはできません。まずは正しい姿勢を意識するところから始めましょう。

 

最初にお腹と机の間に拳1つ分くらいのスペースを空け、机の正面に正座をします。座ったら背筋を伸ばして、肩の力を抜きましょう。そのまま体を15度くらい前に傾けて構えるのが、正しい姿勢です。

 

ポイントは紙面がよく見えるかどうかです。紙全体がよく見えることで、筆運びを大きく伸び伸びと行うことができます。これによって動きのある表情豊かな文字を書くことが可能になります。

また、書道は精神面も大切です。集中することによって自然と背筋は伸びてきます。さらに、書道を行うことによって普段の姿勢も改善され、さまざまな場面で集中力の高まりを実感できるでしょう。

 

筆の構え方

書道では筆の構え方も大切です。筆を持つときには筆の真ん中あたりを持ち、肩の力を抜いてリラックスした状態で構えるのがポイントです。

よく上達することを「腕を上げる」と言いますが、これは書道の構えが由来となっています。

 

筆の構え方にはいくつかの方法があります。下記に一般的な3つの構え方をご紹介します。

 

懸腕法

最も一般的な構え方です。肘を机から離し、机と肘が水平になるように構えます。肘は脇とも密着させず、適当な間隔をあけておきます。こうすることによって腕を自由に動かせるようになるため、ダイナミックな筆運びが可能になります。

 

主に大きな文字を書くときに適していますが、人によっては小さな文字を書くときもこの構え方で書くことがあります。

 

懸腕法の「懸」は「吊り下げる」という意味があります。文字通り、腕を吊り下げられているような感覚で書くと、上手な筆運びができます。

また、半紙を押さえるときには左下に手を置いて、軽く押さえましょう。体重をかけないように注意してください。

 

提腕法

提腕法の構えの基礎は、懸腕法と同じです。懸腕法の構えをしたらそのまま腕を机に下ろし、腕や手首を机に付けた状態で筆を動かします。「提」は「支えて垂らす」という意味で、腕から手首にかけて支点を作って書く方法です。

 

この構えは机に腕を付けることで腕が支点となるため、筆先が安定しやすいというメリットがあります。ただし懸腕法と違って書ける範囲が狭まってくるため、小さな文字を書きたいとき向けの構えです。

 

枕腕法

枕腕法は左手の甲に右手の手首を乗せて文字を書く構え方です。「枕」という文字の通り、左手を枕にするような形で構えます。

 

提腕法よりも支点が筆先に近いため、安定した筆運びが可能です。そのため、小筆を使って細かい文字を書くときに適しています。書くときには左手と右手を一緒にずらしながら書いていきます。

このとき、上体は腰で支えるようなイメージです。両肘に体重をかけないように意識しましょう。

 

筆の持ち方

筆を持つときの基本は、ほぼ垂直に持ち、ボールペンや鉛筆のように筆を寝かせないことです。指は力を抜き、肩で書いているようなイメージを持つといいでしょう。

また書体によって筆を持つ場所も違ってきます。

楷書の場合は筆の下の方を持ち、行書を書くときは筆の中ほどを持つと良いとされています。しかし、これにも個人差があるため、自分が最も書きやすい場所を握るのが良いでしょう。

 

筆の持ち方も構え方と同じく、いくつかの種類があります。下記に代表的な3つをまとめてみました。

 

単鉤法

親指と人差し指で筆を持ち、そこに中指を添える形の持ち方です。基本的にはボールペンや鉛筆の持ち方と似ています。指が1本だけ筆管にかかるため、自由度が高く細かい文字を書くのにも適しています。

 

提腕法や枕腕法との相性が良い持ち方です。

 

双鉤法

親指と人差し指、中指で筆を持ち、そこに薬指を添える持ち方です。単鉤法を基本にし、そこにもう1本指が加わっています。

筆に力をかけやすく、安定した線が引けるため、懸腕法を用いた大きな文字を書くのに適しています。

 

ボールペンや鉛筆とは持ち方が根本的に違っていますが、手のひらに卵を包んでいるような感じを意識すると持ち方をイメージできます。

 

単包法

基本は単鉤法と同じですが、薬指と小指を手のひらに付けた状態で、肘を上げて筆を持つ持ち方です。篆書を書くときにこの持ち方をすると安定しやすいでしょう。

 

基本の姿勢や構え方、持ち方をしっかりと意識することで、書道は自然と上達するようになります。まずは基本中の基本であるこれらを、しっかりと身に付けましょう。

東京書道教育会フォローしておすすめの記事を購読しよう

シェア