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綺麗な文字は心構えから

【綺麗な文字は心構えから】まずは丁寧に書いてみよう!

パソコンの普及によって字を書くことが少なくなっていますが、たまに字を書く機会があると、自分の字が想像以上に汚かったということはありませんか?中には、字の汚さは直らないとあきらめている人もいるのではないでしょうか。

しかし、ゆっくり丁寧に書くことを意識すれば、誰にでもきれいな字が書けるようになります。ここでは、きれいな字を書く方法について、ご紹介していきます。

 

きれいな字を書くためには

きれいな字を書くためには、「ゆっくりと書く」ことを意識する必要があります。試しにさっと素早く字を書いてみてください。字の形やバランスが崩れていたり、一本一本の線が変につながったりしていませんか?早く書いた字には丁寧さが損なわれ、見る人に雑な印象を与えます。

しかし、ただゆっくりと字を書けば良いのではありません。例えば、「一」という漢字を10秒かけて書いてみるとします。あまりにゆっくりすぎると、余計にバランスが取りづらくなったり、線がぶれてしまったりするのではないでしょうか。

丁寧に書ける時間には個人差があります。まずは普段よりもゆっくりと書いてみることからはじめ、練習を積み重ねていく中で自分に合った時間を見つけてください。

 

落ち着いた気持ちで書くことが大切

例えばのし袋に名前を書くとき、「きれいに書かなければ」というプレッシャーで、なおさら上手く字が書けないということがあると思います。また、字を書くことに対する苦手意識もそのまま字に表れます。

きれいな字を書くためには、気持ちを落ち着かせることも大切です。深呼吸をして呼吸から整え、心を込めて丁寧に、ゆっくりと一文字一文字を書いていきましょう。自宅で練習する際は、お気に入りの音楽をかけたり好きな香りのアロマを焚いたりして、リラックスできる環境を作ると良いでしょう。

 

意識するだけ!3つのコツ

とはいえ、人にはそれぞれ今までにしみついたクセがあり、丁寧に書くだけではきれいにならないということもあるでしょう。そのようなときは、ちょっとしたコツを意識して書くだけで見た目がよくなります。

 

横線は少し右上がりに、縦線はまっすぐ

横線を少し右上がりに書くようにすると、字が格好良く見えます。目安は6度と言われていますが、厳密でなくてかまいません。

縦線はまっすぐに引くようにしましょう。縦線がぶれたりゆがんだり斜めになったりすると、字全体のバランスが損なわれます。

 

線と線は平行・等間隔に

字の画数が多くなってくると、線がゆがんでいることから字が潰れて見え、汚くなっていることがあります。線は平行に引くよう心がけましょう。

また、例えば「川」や「三」という字など、横線や縦線を続けて書く字は、線と線の間隔が同じになるように字をおさめると、全体のバランスが良くなります。

 

書き順通りに

小学校で習った字の書き順は、きれいに整った字を書くための順番です。書き順を無視して字を書くと、クセが出てしまったりバランスが悪くなったりしてしまいます。書き順が分からない漢字があれば調べ、正しい順番で字を書く習慣を身につけましょう。

 

ペンの持ち方

箸を持ったとき下になる方を抜き、その形をキープしたままペン先から3センチのところまで指を下げる。これが正しいペンの持ち方です。

ペンの持ち方が良くないと指の動きが制限され、自由に線を引けません。きれいな字を書くためには持ち方も重要ですが、そこにばかり意識がいくと字を書くことに集中できないこともあるでしょう。ですからまずは、普段通りの自分の持ち方で、とにかく書くことに慣れてください。書いているうちに、手が疲れやすかったり筆圧が強すぎたりなど、気づくことが出てくると思います。余裕が出てきたら、正しい持ち方を意識して、悪い点を修正していくようにしましょう。

 

初めのうちは慣れずに上手く書けないかもしれませんが、きれいに書こうと気持ちを込めた字は、見る人に丁寧さが伝わる文字になっています。自分は字が汚いからとあきらめず、ぜひ普段から丁寧にゆっくり書くことを実践していただければと思います。

写経をするときの書き方

【写経のすすめ】写経をするときの書き方「5つのポイント」

写経には様々な作法があります。堅苦しく考える必要はありませんが、決まりごとに従い、写経をさせていただくという謙虚な姿勢で行いましょう。自宅で写経をする際の参考にしていただければと思います。

 

写経をはじめる前に

写経とは、経文を書き写す作業を通して仏さまと向き合う行為です。清潔さを保ち、静かで落ち着いた環境を整えましょう。

 

身を清める

手を洗い、口をすすぎます。汗をかいている場合はシャワーを浴びるなどして身を清め、清潔な服装で臨みましょう。

 

部屋を清める

机の上に写経に必要な道具以外がのっている場合は片付け、身の回りを整理整頓しましょう。お香が用意できる場合は、焚いて部屋を清めましょう。携帯電話など気を散らすようなものはなるべく遠ざけて置き、集中できる環境を作ります。

準備が整ったら、合掌・礼拝をして写経をはじめます。

 

書き方5つのポイント

写経の書き方には様々な決まりごとがあります。けれども、決まりごとに忠実に従うことよりも、やってみようという気持ちが大切です。ポイントを参考にしながら写経を楽しむ気持ちではじめてみましょう。

 

用紙の置き方

写経用紙の余白には、広い部分と狭い部分があります。狭い方を上(天)に、広い方を下(地)にして用紙を置きましょう。経典を敬う気持ちを表しており、古くからの様式に従っています。

 

内題の書き方

内題とは、本文の巻頭にある経典の名称のことです。一、二行の空行をもうけ、省略せずに正式名称で書きましょう。一字を本文の字と同じ大きさにし、字間は本文よりも詰めて下に余白を持たせます。

 

本文の書き方

一行は十七字詰めが基本です。「般若理趣経(はんにゃりしゅきょう)」によれば「十七は清浄の本有(初めから有ること)を示す」とあり、そこに端を発する古くからの約束事です。

また、「一字三礼」という作法があります。一文字書き写すごとに三回礼拝をするというものです。自宅で写経する際にそこまでの時間をかけることはできないと思いますが、それほどに心を込めて丁寧に書くという気持ちを持つことは大切です。「一字三礼」の精神を持って写経に臨みましょう。

 

誤字・脱字の処理の仕方

本文を書き終わったら、誤字や脱字がないか見直しましょう。誤字を見つけた場合、間違えた文字の横に黒点をつけ、同じ行の上(枠がある場合は枠外)に正しい字を書きます。

脱字を見つけた場合、脱字がある文字と文字の間の横に黒点をつけ、同じ行の下(枠がある場合は枠内)に抜けた字を書きます。二字の脱字であれば、黒点を二つ書き、同じようにします。

 

奥題・願文の書き方

奥題には省略した名称が用いられます。本文から一行を空けて書きましょう。祈りを込めた写経の場合は、奥題からさらに一行空けて願文を書きます。願文の書式に決まりごとはないため、和文で複数行にわたって書いても問題ありません。

奥題・願文まで書き終えたら、写経をした年月日と名前を書きます。また、名前の前か後ろに「謹書」という文字を書き入れましょう。

 

写経を終えた用紙は粗末に扱わず、箱に収めて仏壇などに保管してください。ある程度、嵩(かさ)が増したら、お寺へ奉納されても良いでしょう。

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【書道初心者必見!】筆を長持ちさせる手入れ方法とは?

筆を大切に扱うことは、書道を極めるための第一歩です。気持ちを込めて丁寧にお手入れをすれば、その筆と長くお付き合いしていくことができます。そこでここでは、筆を長持ちさせるためのお手入れの方法をご紹介します。

 

筆の洗い方

上級者になると、あえて筆を洗わないという人もいます。筆に残った墨が弾力を持たせ、書き味が変わってくるためです。しかし、やはり筆は毎回きちんと洗ったほうが長持ちします。初心者のうちは、使ったあとは正しい方法で筆を洗うようにしましょう。

 

筆を洗う場所

キッチンなど、ステンレス製の流しがおすすめです。墨の汚れはついてしまうと落ちにくいため、白い洗面台など汚れが目立つ場所は避けましょう。

 

筆に残っている墨を丹念に洗い流す

筆の鋒(毛の部分)の長さよりも深さがある、汚れてもよいような容器を用意します。使用済みの空きビンや、市販のプリンやゼリーなどの空き容器でかまいません。

容器に水をためて筆の鋒をひたし、筆を振るようにしながら墨を落とします。根元に残っている墨が取れない場合は、優しくもみほぐすようにして洗いましょう。水を換えながら、水が黒く染まらなくなるまで繰り返します。このとき、筆を傷めてしまうため、毛先が容器の底にこすらないよう気をつけましょう。

水圧で毛が乱れてしまうため、流水で洗うことはおすすめしません。どうしてもそれ以外に方法がない場合には、毛を傷めないように流水を細くし、毛の流れにそって水を流すように心がけましょう。

 

小筆のお手入れ方法

小筆は基本的に、水で洗いません。反古紙(使い終わった書道紙)を使い、穂先をそろえるようにして、筆に残った墨をふきとります。さらに水で湿らせたティッシュでふきとり、墨のとり残しがないようにします。

つりさげて干しておき、乾いたら付属のキャップをかぶせて保管しましょう。そうすることで、毛が曲がったり広がったりすることを防ぐことができます。

 

洗った筆の乾かし方

洗い終わった筆は、鋒を円錐形に整え、円錐形の頂点となる筆の穂先が中心にくるようにしましょう。筆の形がゆがんだりくずれたりしたまま乾かすと、筆にクセがついてしまいます。そうなると、次に字を書くとき良い状態で筆を使うことができません。

 

つりさげて風通しの良い場所へ

整えた円錐形がくずれないように、つりさげて干すのがベストです。筆架という書道専用の筆をかけておく道具もありますが、市販に売っているディスプレイ用のハンガースタンドなどで代用できます。筆についているかけひもを、クリップや洗濯ばさみでスタンドにとめればつりさげられます。

湿気が多い時期はカビが生えることがあります。風通しが良い日かげを選んで干すようにしましょう。

 

乾いた後の二度洗い

きれいに洗ったつもりでも、干したあとにもう一度水洗いしてみると、毛の間から細く短い墨のかたまりが出てくることがあります。筆に墨を残してしまうと筆が傷む原因になるため、ときどき乾いた後にもう一度洗ってみるようにしてください。

 

傷んだ筆のお手入れ方法

筆が傷んでしまったら、買い替える前に以下の方法を試してみましょう。

 

先が二つに割れてしまった場合

筆を洗わないまま放置していたり洗い残しがあったりすると、残った墨が固まって、毛先がぱっくりと割れてしまうことがあります。そのような場合は、鋒をぬるま湯にひたして毛をほぐし、墨のかたまりをもみだすようにして丁寧に取り除きましょう。根元は特に墨がたまりやすいため、洗うときには注意が必要です。

また、筆の洗い方が乱暴であることも、筆が割れる原因になります。中の毛が切れたり抜けたりすることで、毛のまとまりが悪くなるためです。普段のお手入れから丁寧に扱うよう心がけましょう。

 

筆の糊がとれてしまった場合

購入時についている糊がとれてしまうと、毛がボサボサになり、広がってしまいます。そのような場合は、毛の根元の方からきっちりと隙間なく糸を巻いて保管するようにしましょう。

筆の鋒は動物の毛でできており、とてもデリケートなものです。石鹸やお湯を使ってごしごし洗ってしまうと、毛の油分や糊までもが流れてしまうため、注意しましょう。

 

きちんとお手入れをすれば、次に字を書くときに良い状態で気持ち良く筆を使うことができます。手に馴染んだ筆を長く使っていけるように、これらの方法をぜひ活用してみてください。

お客様に手紙を出す時の挨拶文まとめ

【ビジネス文例集】お客様に手紙を出すときの挨拶文まとめ

ビジネスシーンにおいて、手紙を活用したことはありますか?日ごろの感謝の気持ちを込めて、お客様にお手紙を出してはいかがでしょうか。ここでは、手紙の挨拶文を書く際に注意する点と、挨拶文の例をご紹介します。

 

基本の挨拶文

頭語から、時候の挨拶、安否の挨拶、日ごろの感謝の言葉を述べるところまでが、一般的な挨拶文の形です。頭語と結語はセットで使うものですから、文末には頭語に合った正しい結語を置きましょう。「拝啓」「敬具」という頭語・結語が良く使われます。

 

注意すべきこと

「前略」「草々」という頭語・結語があります。前略とは挨拶を省くという意味であり、前略の頭語を用いる場合は前略の後に時候や安否の挨拶などは書かず、いきなり本題に入ります。そのため、読む人に手を抜いているような印象を与えてしまいます。お客様に出すお手紙には、「前略」「草々」は用いないようにしましょう。

また、基本的にセットで用いる頭語・結語ですが、お悔やみ状の場合に頭語は必要ありません。時候・安否の挨拶なども省き、文頭からお悔やみの言葉を述べましょう。お客様にお悔やみ状を出すことはあまりないかもしれませんが、頭語・結語のルールが変わることは頭に入れておくと良いと思います。

 

想いを手紙で伝えよう

ビジネスシーンで比較的書く機会が多いお礼状と、少し特殊なお詫び状の挨拶文の書き方をご紹介します。お手紙を書く際にご活用ください。

 

お礼状

お礼状は、お得意様が久しぶりにお店を訪れてくれたときなど、感謝の気持ちを伝えたいときに送ります。何度かお礼状をお送りしたことのあるお客様であれば、いつも似たような内容にならないような心がけが大切です。時候の挨拶は、自分の身の回りを見渡してみて、その時点での様子を書いてみましょう。

また、ビジネスのようなかしこまった言葉ばかり使うと、逆に気持ちが伝わりにくくなります。お店でお客様と話しているような感覚で言葉を選ぶと良いでしょう。以下に挨拶文の例をあげます。

 

「拝啓 涼やかな秋風が心地よく、日を追うごとに秋の深まりを感じる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。○○様、先日はご来店いただき、誠にありがとうございました。ご多忙の中、遠方からご足労くださいましたことを心から感謝いたします。お客様にお会いできたことを、とても嬉しく思っています。〜敬具」

 

お詫び状

お客様への対応の際に何らかの不手際があり、お詫び状を書く場面もあると思います。お詫び状の場合の挨拶文は、頭語や時候・安否の挨拶といった形式にのっとることよりも、謝罪の意を伝えることを優先しましょう。以下に例をあげます。

 

「拝啓 平素は格別の御愛顧を賜り、心よりお礼申し上げます。このたびは弊社担当者の対応におきまして、お客様へのご無礼がありましたことを、心より謹んでお詫び申し上げます。〜敬具」

「○○様、先日はご来店いただき、誠にありがとうございました。お忙しい中ご足労いただいたにもかかわらず、弊社の不手際で○○様を長らくお待たせすることとなり、誠に申し訳ございませんでした。大変ご迷惑をお掛けいたしましたこと、心より深くお詫び申し上げます。」

 

パソコンが普及している今、お客様へのご挨拶やご案内などもメールで済ますことが増えているのではないかと思います。しかしだからこそ、手紙をもらったときによりいっそう、手書きの温かみや書いた人の気持ちを感じられるのだと思います。ぜひ参考になさってください。

俳句・単価を書で書く用紙まとめ

「短冊だけじゃない!」俳句・短歌を書で書く用紙まとめ

俳句・短歌を書で書くならば短冊が一般的ですが、他にも様々な用紙があります。用紙選びにこだわると、筆書き特有の繊細な線が上手くいかされ、書としての表現の幅も広がります。そこで今回は、俳句・短歌を書で書く様々な用紙をご紹介します。

 

短冊

短冊と言えば、願い事を書いて七夕のときに笹に結びつける、細長い紙のことを思い浮かべる人も多いと思います。しかし本来は、俳句や短歌を書く長方形の厚みのある紙のことを指します。

短冊に歌を書くようになったのは、平安時代がはじまりであるとされています。

俳句や短歌を書で書く用紙としては最も一般的ですが、シンプルな格好良さがあります。また、余白や文字の流れ、全体のバランスに気を配りながら文字を配置していくことで、個性あふれる作品を作ることができます。

 

色紙

短冊よりも正方形に近い形をした厚紙で、短冊と同じく書道作品によく用いられます。

サイズや装飾に様々な種類があり、短冊よりも自由に書くことができます。俳句を書く場合は季語に合わせた背景装飾や色味のものを選んでみるなど、様々に工夫を凝らすことができます。

 

オリジナルかるたを作ろう

形や大きさが様々な色紙には、かるたサイズの小さなものもあります。自分で詠んだ俳句や短歌、また、自分が好きな俳句や短歌の作品を集めて、かるたに書で書いてみましょう。オリジナルのいろはかるたを作ってみても面白いと思います。

 

うちわ

筆書き特有の線の美しさや、墨の濃淡が生きてくる用紙です。薄墨でさらりと仕上げてみると、品よく落ち着いた印象をかもし出します。

また、千鳥型の変わった形をしたうちわがあります。円形のものより文字の配置や余白の取り方が難しくなりますが、その分表現の幅は広がります。

円形のものでも色々な形がありますから、見た目にこだわって選んでみましょう。余白にカラーの絵を取り入れてアートに仕上げると、さらにオリジナリティが生まれます。

 

扇子

料紙を扇形に切り取り、そこに俳句や短歌を清書して、後に骨組みへ貼りつけます。扇の形にバランス良く文字を配置することがポイントです。

また、料紙選びも重要です。料紙は、和紙を様々な色に染め上げ、ぼかしや装飾を施したものです。主にかな書道用の用紙として用いられています。書きたいと思う俳句や短歌の雰囲気に合うような色味のものを選んでみましょう。

 

自分の手で扇子を完成させよう

清書した料紙を表具屋さんに持って行けば扇子を作ってもらえますが、自分で骨組みに料紙を貼りつけるまでをやってみても楽しいと思います。シワがよったり引きつったり、プロがやるようなきれいな仕上がりにはならないかもしれませんが、それも作者の個性として作品の一部になります。

また、扇子の扇形は「末広がり」に通じ、とても縁起の良いものとされています。想いを込めた俳句や短歌を書でつづり、贈り物として制作してみてはいかがでしょうか。

 

かるたやうちわ、扇子など創作としても楽しめるものばかりです。ぜひ参考にしていただき、ご自分の表現に合った用紙を選んでいただければと思います。

写経で得られる5つの効果とは

脳を活性化してボケ防止!写経で得られる5つの効果とは?

「写経」というと宗教的なイメージが強く、一般の人が気軽に始められるものではないと考える人は多いのではないでしょうか。

しかし、写経には様々な効果があり、趣味やトレーニングのひとつとして日常生活に取り入れる人が増えています。ここでは、写経がもたらす効果についてご紹介していきます。

 

写経とは?

写経とは、仏教の経文(お経のこと)を書き写すことです。印刷技術が発達していなかった時代に、仏法を広めるための手段として盛んに行われていました。そして、のちに写経という行いによって功徳が得られると説かれるようになったようです。

もともとは仏教における信仰行為のひとつとして僧侶が行うものでしたが、最近では僧職についていない一般の人の間でも広まりつつあります。

写経をする文章には様々な種類がありますが、よく用いられるのは「般若心経」という経典です。文章が300字足らずと比較的短いこと、また、心穏やかに生きることを説くその内容から、多くの人に選ばれています。

 

写経によって得られる5つの効果

「写経」というと宗教儀式のような堅苦しいイメージがあるかもしれません。しかし、簡単な道具で気軽に始めることができ、日常生活にも様々なメリットをもたらしてくれます。

 

脳が活性化する

字を書くという行為は指先を使う作業であり、脳を活性化します。そのため、ボケ防止すなわち認知症の予防にも効果があります。また、高齢者用のリハビリプログラムとして活用されることもあります。

パソコンが普及している現代では、手を使って字を書く機会が極端に少なくなっています。普段の仕事柄パソコンを使うことが多い人などは特に、写経を行うとその効果を実感できるでしょう。

 

自然治癒力が向上する

写経によって自然治癒力が高まるというと飛躍しているように感じるかもしれませんが、その効果は医学的に証明されています。

書き写すというひとつの行為に意識が集中することで、大脳や臓器の働きが活発化し、身体のバランスが保たれます。また、このときに分泌される脳内物質の影響により思考がポジティブになり、精神も安定します。

 

集中力・忍耐力が向上する

写経は筆を使って一字一字を丁寧に書き写していく細かい作業です。そのためじっくりと時間をかけて行うことになり、普段より神経もすり減らします。

初めは途中であきらめたくなることもあるでしょうが、我慢をして枚数を積み重ねていくことで、段々と書く行為が楽になっていることを実感すると思います。そのようになれば、集中力や忍耐力が以前よりも高まっている証拠です。

写経によって得られた効果は、日常生活や仕事など、様々な場面でもいかすことができます。

 

姿勢が良くなる

姿勢が悪い状態では上手く筆を使えないため、写経をしていると自然に姿勢が良くなります。良い姿勢でいることが体に馴染んでくると、姿勢の悪さが原因となって起こる肩こりや腰痛の軽減につながるでしょう。

 

字が上手くなる

写経では基本的に、お手本となる経文を見ながら字を書いていきます。経文の中には、とめ・はね・はらいといった書道の基本的な技術が一通り含まれているため、お手本通りに書き写していけば、必然的に毛筆技術も向上します。

また、集中して丁寧に一字を書いていくことから、字の構成を理解することができます。字の形をしっかり認識できるようになると、日常生活でも上手く字が書けるようになります。

 

写経とは本来、徳を積むための行為であり、見返りを求めて行うものではありません。しかし、写経を始めるきっかけとして、まずは効果を得ることを目的にしてみても良いかもしれません。続けているうちに、無心に書き写すという行為そのものに魅力を感じてくることでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。

一文字で各カッコイイ漢字

【創作書道】一文字で書くカッコイイ漢字5選

創意工夫を凝らして自らを表現する創作書道においては、文字選びも重要です。ここでは、一文字で書き表す格好良い漢字をご紹介します。

 

創作書道とは

古典古筆をお手本にして字を書くことを臨書(りんしょ)と言います。臨書には3つの方法があります。字の形を模倣することで主に書道技術の習得を目指す形臨(けいりん)、作品から作者の意や精神性までも汲みとって書に表す意臨(いりん)、そして、手本を記憶したあと手本を見ないで書き、手本の書風を自分のものにする背臨(はいりん)です。これらの方法を用いて書道の技術や原理を学び、他人の書を参考とせず自らの創意工夫を凝らした、創作書道へとつなげていきます。

 

一文字で書くカッコイイ漢字5選

書道には様々な書体があります。篆書、隷書、隷書を簡略化した草書や行書、そして、最も一般的な楷書です。どのような書体を選ぶかによっても適した漢字は変わってくると思いますが、ここではよく書道の題材として使われる漢字の中から、一文字で書く場合に見栄えがよくなるよう、比較的画数が多いものを選んでみました。

 

「義」

義(ぎ)とは、物事のすじ道やかどめのことで、私利私欲にまみれずすじ道をたてる心、公に尽くす心を表します。また、中国の孔子を始祖とする儒教では、五常の徳を充実させることで正しい道をまっとうすることができると説いていますが、義はその五常のひとつでもあります。

 

「輝」

輝(き)は、光を放つこと、きらきらとかがやいて明るさがあふれる様子を表します。周囲を明るく照らすという意味で、名前に使われることも多い漢字です。

また、ほぼ同じ意味を持つ漢字に「暉」という字があります。光が四方に広がる様を表し、春の日の光を意味する春暉(しゅんき)という言葉にも使われています。意味は同じですが、どちらの字を選ぶかによって、表現が変わってくるのではないでしょうか。

 

「夢」

夢(む)という字は書道の題材として使われることが多く、作品として目にしたことがある人も多いと思います。その場合、実現させたいと思う願いという意味での夢を表現していることがほとんどであると思います。

しかし、夢という字には、ぼんやりとしていてはっきりしないものや、まぼろしといった意味もあります。夢という字を使って「はかなさ」を表現してみるのも、少し変わっていて面白いかもしれません。

 

「舞」

舞(ぶ)も書道の題材としては一般的な漢字です。歌や音楽に合わせて踊り、神に恵みを請う様を表します。また、人を奮い立たせる、心がはずむような気持ちにさせるといった意味から、もてあそぶ、好きに扱うといった意味をも含み、自由な表現が考えられる一文字であると言えます。

 

「雅」

雅(が)は、上品で美しい様を表します。みやびという読みで日本文学の美的理念のひとつでもあり、知に高められた優雅で趣深い美を意味します。日本の文化である書道の題材としては、ピッタリな漢字であると言えます。

また、正しいことや良いこと、物事のはじまりといった意味も持ち、夏という季節を表すこともあります。表現が広がりそうな一文字です。

 

意味を理解したうえで字を書くと、一味違った表現が加えられるのではないかと思います。ぜひ参考にしてみてください。

初心者の為の道具の選び方

【かな書道を始めよう!】初心者の為の道具の選び方

かな書道は、書道の中でも日本特有の文化であり、漢字書道とは違った味わい深さがあります。曲線の美を大事にするため、道具もこだわって選ぶ必要があります。ここでは、かな書道の道具の選び方についてご紹介していきます。

 

かな書道とは

書道と言えば、小学生のときに誰もが習った漢字書道や漢字かな交じりが思い浮かびます。また、芸術性ではなく日常生活への実用性を目的とした実用書道があります。

それらに対して、日本独特の文字文化である「かな」を学ぶことを目的としたものが、かな書道です。まずはひらがなの「いろは」から学び、日常生活ではほとんど使われることがなくなった「変体仮名」や、「連綿」という2〜3字を続けて書く手法へと進んでいきます。

 

美しい線が魅力

かな書道の丸みを帯びた美しく滑らかな線は「みずくき」と称され、漢字書道や実用書道にはない魅力です。また、変体仮名や連綿をバランスよくいれることで、美しさの表現は多様になります。運筆のリズムと線の流れを大事にするため、道具もそれに見合ったものが必要になってきます。

 

道具の選び方

初心者の場合、値段や品質はあまり気にせず、漢字書道とかな書道では道具に違いがあることを意識していただければ良いでしょう。将来的に段級を望まれる方は、少々高くついても長く使えて質が良いものを一通りそろえることをおすすめします。

 

かな書道用の筆には一般的に、狸や鼬(いたち)、猫の毛などが使われます。狸、鼬、猫の順に毛質がやわらかくなり、上級者に向きます。また、穂先が長くなるほど書の自由度が上がりますが、初心者には書きづらくなります。

これからかな書道をはじめる方には、適度な弾力と毛先のまとまりがある鼬毛で、穂先が短めのものをおすすめします。

 

用紙

市販されているものでかまいませんが、必ずかな書道用のものを選びましょう。漢字書道の「行書」「草書」などは多少のにじみが字に味を出させますが、美しく滑らかな線質を特徴とするかな書道の場合、にじみは繊細な線の美しさを損ないます。そのためかな書道用の半紙は、にじみ止めの加工が施され、滑らかな紙質で墨の吸収が少ないように作られています。

 

墨・硯

かな書道の墨は固形墨で、粒子が細かくのびの良い油煙(ゆえん)墨が最適です。ただし、流れが良くなる一方で黒味は弱くなります。墨の色味を大切にしたい方は、漢字書道用の黒味が強いものをかな書道で使われても問題ありません。

小筆を使うかな書道では、たくさんの墨は必要ありません。そのため、硯はやや小ぶりのものを選びましょう。3〜5寸のものが目安となります。

 

下敷き・文鎮

下敷きは、かな書道用の用紙である半懐紙(約36×25センチ)を置けるものが大きさの目安です。厚みがあって無地のものを選びましょう。

文鎮は、小ぶりで軽めなものでかまいません。しっかりと紙を押さえられるような大きくて重みがあるものは、かな書道では使いにくい場合があります。

 

日常の文章の約7割がひらがなであると言われています。かな書道でつちかった美しいひらがなは、年賀状や手紙など普段の生活の場でも生きてきます。一通り道具をそろえると、気持ちがワクワクしてモチベーションも上がります。ぜひ参考にしていただき、かな書道をはじめるきっかけになればと思います。

時候の挨拶まとめ

【文例集】手紙を書く時の時候の挨拶まとめ(1月〜12月)

「陽春の侯、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」手紙などの冒頭部分で、こんな文章を見たことがある方は多いでしょう。

時候の挨拶は、古くから大切にされている一般的な手紙のマナーの一つです。

しかし、皆さんはどの季節にどのような言葉を使えば良いのかご存知でしょうか。
ここでは、手紙を書くときに知っておきたい時候の挨拶をまとめてみました。

 

時候の挨拶とは?

時候の挨拶とは、手紙の冒頭部分に書く天気や季節の移り変わりを示すもので、四季がある日本ならではの風習です。

 

よく久しぶりに会った人と「肌寒くなりましたね」というような会話をしますが、これと同じものをかしこまった手紙での表現にしたものと思ってください。また、時候の挨拶は季節の移り変わりを示すだけでなく、相手の健康を気遣う意味合いもあります。

 

時候の挨拶は1年を24分割した二十四節気が参考になります。これは旧暦に沿って、冬至や立春、春分などを定めたもので、季節によってそれぞれの節目の呼び名があります。それに「〜の候」と付けるだけで、時候の挨拶にできます。

 

1月

1月は新しい年になるスタートの時期です。これから始まる新しい年の相手の健康を祈るものや、寒い季節を気遣うような文面が適しています。二十四節気では1月5日頃に小寒、20日頃に大寒を迎えるため、その時期の時候の挨拶には「小寒の候」「大寒の候」という文言が使えます。

 

「小寒の候、まだ来ぬ春が待ち遠しく感じられますが、いかがお過ごしでしょうか」などとするのが良いでしょう。

 

2月

2月は1年の中で最も寒さの厳しい時期ですが、2月4日頃には立春を迎え、暦上は徐々に春に向かっていく季節でもあります。そのため春が待ち遠しくなる文面や、春らしくスタートを感じさせるような時候の挨拶が良いでしょう。

 

「立春の候、梅のつぼみも膨らみ、いくらか寒さも和らいで参りました」「節分の候、本格的な春の訪れが待たれる頃となりました」などの挨拶が適しています。

 

3月

本格的に春がスタートする時期です。3月は「花見月」とも呼ばれ、多くの花が咲き誇る時期でもあります。そのため桃や梅、桜などの季節の花を絡めた時候の挨拶が適しています。二十四節気では3月6日頃に啓蟄、3月21日頃に春分を迎えます。

 

時候の挨拶としては「啓蟄の候、寒さも緩み、桜の開花が待たれる頃となりました」「啓蟄を過ぎ、小川の水もぬるんで参りました」などが使えます。

 

4月

4月は新年度が始まります。3月と同じくさまざまな花が見られる時期ですが、散るのも早いため周囲の花の様子を見ながら書くようにしましょう。新年度になって新しい職場や学校に行く人も多いため、健康や環境を気遣うような文面がおすすめです。二十四節気では5日頃に「清明」、20日頃に「穀雨」を迎えます。

 

時候の挨拶は「桜の花のたよりが聞かれる頃になりました」「貴社におかれましては、ますます輝かしい春をお迎えのことと存じます」などが良いでしょう。

 

5月

5月は鮮やかな緑が美しい時期です。二十四節気では6日頃に「立夏」、21日頃に「小満」を迎えます。また暑くもなく寒くもない、過ごしやすい時期であるため、この環境で先方が活躍している表現を入れるのも良いでしょう。

 

時候の挨拶としては、「立夏の候、新緑の香りが清々しい季節になりました」「緑芽がより鮮やかな季節となり、ますますご活躍のことと存じます」などの表現を使います。

 

6月

6月は6日頃に「芒種」、21日頃に「夏至」を迎えます。湿気が多く暑さも徐々に本格化してくる時期であるため、美しい紫陽花や、雨だからこそ感じられる情緒などを盛り込んだ時候の挨拶が好ましいです。

 

「梅雨の侯、雨に濡れる紫陽花の花が美しく感じられます」「夏至の候、日がずいぶん長く感じられる頃になりました」などの時候の挨拶を取り入れてみましょう。

 

7月

7月は暑さがいよいよ本格的になってくる頃です。二十四節気でも小暑、大暑と暑さを示す言葉が続きます。そのため、相手の健康を気遣うと同時に、少しでも涼しくなるような時候の挨拶を使うのがおすすめです。

 

「大暑の候、青い空と入道雲が夏の到来を告げています」「天の川がひときわ美しい季節となりました」などの挨拶が良いでしょう。

 

8月

1年の中で最も暑い時期ですが、暦の上では7日頃に「立秋」、23日頃には「処暑」となり、秋めいてくる時期でもあります。また暑くて長い夏を乗り切った相手に対して、健康を気遣うような挨拶があると気持ちが伝わります。

 

例文としては「立秋の候、厳しい残暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか」「去っていく夏の気配を感じるようになりました」などが使えます。

 

9月

徐々に夏が終わり、秋を感じられる頃です。長かった日も短くなり、また過ごしやすい季節になっていきます。再び訪れる過ごしやすい時期でもあるため、相手の環境や健康を伺うような文面にすると良いでしょう。

 

「コスモスが秋風に揺れ、過ごしやすい時期になって参りました」「秋の気配が感じられる季節、ますますご活躍されていることと存じます」といった挨拶にしてみましょう。

 

10月

本格的な秋のスタートです。自然が大きく変化する時期でもあり、草花や生き物なども9月とはがらりと変わります。秋晴れの美しい時期でもあるため、秋の空を表現するような時候の挨拶が好ましいです。

 

「空が高く感じられる季節になりました」「金木犀の爽やかな香りが漂いはじめました」などと書き始めるのが良いでしょう。

 

11月

11月は7日頃に立冬を迎え、秋から冬に移り変わっていく時期です。木枯らしなどで寂しさを感じる時期でもありますが、冬の訪れを感じさせるような情緒ある時候の挨拶がおすすめです。

 

挨拶は「晩秋の侯、冬の気配を感じる頃となりました」「朝晩はすっかり冷え込み、寒さに身も心も引き締まります」などとしてみましょう。

 

12月

年の瀬が迫った12月は寒さも本格化し、皆一様に忙しくなる時期です。22日頃には冬至を迎え、日も短くなってきます。忙しく寒い時期であるため、相手の健康を気遣うような文面が適しています。

 

時候の挨拶は「冬至の候、寒気いよいよ厳しい季節ですが、お健やかにお過ごしでしょうか」などとするのが良いでしょう。

 

時候の挨拶は、日本の四季を感じられると同時に相手の気遣いも表現できるものです。
その時期に合わせた時候の挨拶で、相手との関係をより深められるような手紙にしましょう。

正しい書き順を覚えよう

【美文字】正しい書き順(筆順)を覚えよう

美しい文字を書きたいのなら、書き順(筆順)は必ず押さえておきたいポイントです。正しい書き順を覚えることによって、形が整った美しい文字を書けるようになります。

 

漢字の基本的な書き順は、主に小学校のときに習います。しかし、時間が経つといつの間にか忘れてしまい、間違った書き順が習慣になってしまった人もいるでしょう。

さらに、社会に出てパソコンを使うようにり文字を書く機会が減ると、ついつい書き順を気にしなくなってしまうものです。

 

ここでは、美文字に必要不可欠な要素である正しい書き順についてご紹介します。

 

そもそも書き順とは?

そもそも書き順とは何なのでしょうか。何のために作られたのか、どんな原則があるのかを見ていきます。

 

もともとは教育の統一のため

漢字の書き順は、もともとは教育を統一するために作られたものです。それまでは個人個人で書きやすい書き方をしていたため、人によってバラつきがありました。

しかし、日本全国で教育を統一するという観点から、昭和33年にかつての文部省が「筆順指導の手びき」を発行しました。これによって、書き順が統一されたのです。

 

あくまで教育の統一のために作られたものであるため、ここで示された書き順が正しいというわけではありません。実際に手引きにも「これが正しいというわけでもなく、今までの筆順を否定するわけでもない」と書かれています。

しかしながら、この手引きにある書き方は「形が美しく整うように」と考えられています。キレイな文字を書くためには、この筆順を守るのが理想的であると言えるでしょう。

 

書き順の大原則

書き順には大原則が2つあります。それは上から下に書くこと、そして左から右へ書くことです。

例えば「工」という字ですが、これは1画目の横画を左から右に引きます。左から右に線を引くのは、左を見ながら右を書けるためです。これによってバランスを取りやすくなり、美しい線を引けるようになります。

 

次に2画目の縦画を引きます。縦画は上から下に引くのが原則です。上から下に向かって引くことで、線の間隔を意識しながら線が引けるようになります。これらは筆順の2大原則と呼ばれており、あらゆる文字を書くときのための基本となっています。

 

書き順を守る3つのメリット

「そもそも形さえ合っていれば、書き順なんて守らなくてもいいのでは?」と考えている人もいるでしょう。しかし、書き順を守ることにはちゃんとメリットがあります。

 

文字がキレイになる

前述したように、書き順は文字が美しく整うように一連の流れが作られています。この流れを「筆意」といい、筆意を次の一画にきちんと受け継いでいけるかで文字の美しさが決まります。

同じような形をしているように見えても、書き順を変えることによって全く違う形になることもあります。常にこの「筆意」を意識していくことで、美文字にぐっと近づきます。

 

速く書ける

書き順は美しく書けるようにされているだけではなく、機能性も重視されています。どんな筆運びをすれば無駄なく、速く書けるのかということも考えながら作られているのです。

そのため、書き順を守ると美しいだけでなく、速く書けるようにもなります。時間に追われることの多い現代人には、美しく速く書けるというのはかなり重要なポイントでしょう。

 

読みやすい字になる

「電話や会議などで覚えたことを走り書きしたら、後で読めなくなった」という経験はありませんか。これは自己流の書き方をしているために起こる現象です。

上記2つのメリットで書いたように、正しい書き順は美しく機能性に優れています。そのため書き順をしっかり守っていれば、こうした走り書きのメモも読みやすくなります。

 

書き順を間違えやすい漢字

漢字の書き順は、知らず知らずのうちに間違えて覚えてしまっていることも多くあります。下記に書き順を間違いやすい漢字をまとめてみました。

 

「右」という漢字は左はらいが1画目、それに交わる横画が2画目になります。逆に「左」は横画が先で、左はらいが後です。

 

右と左の横画と左はらいは両方とも手の形から来ていますが、右の左はらいは指を表し、左の左はらいは腕を表しています。漢字ではもともと指を先に書いて腕を後に書くというルールがあったため、指を示す右の左はらいは最初に書かれるようになりました。

また、左はらいを横画より最初に書くか、後に書くかで横画の長さが変わってきます。右は横画が長い方がバランスよく見えるため、必ず最初は左のはらいで始めるようにしましょう。

 

「必」という字はいくつか書き順がありますが、中央の点から書き始める方法が一般的とされています。2画目が右上から左下へのはらい、次に左上から右下に交わる線、次に左の点、最後に右の点の順番です。

「心」と似ていますが、意味も漢字もまったくの別物です。「心」に縦画を加える書き順は間違いであるため、注意しましょう。

 

「飛」は画数も多く、非常に間違いやすい漢字です。1画目が最も上の横画から縦画に繋がるラインです。その右側に上からはらいととめを加えます。次が中央の縦画、その左のはらい、さらにその下の縦画と続きます。最後に下側の横画から縦画に繋がるラインを引き、上部分と同じように上からはらい、とめとして完成です。

 

正しい書き順で書くと非常に達筆に見えますが、書き順を間違えると途端に不格好になってしまうので注意しましょう。

正しい書き順で書くことで、美文字というゴールはとても近くなります。書き順を間違えていた人は、今からコツコツと直していきましょう。